キラーアプリ第2話 - 救出

電話の相手はクラスメートの京村幸子だった。
「もしもし、京村...?!」
「助けて!真人!」
そういい残すと、電話はすぐさま切れる。
「京村...?京村?!」
「...。」
電話は何も答えなかった。
「クソっ!」
俺はすぐさま、自室のカッターナイフを持ち出すと玄関に向かう。
「どこに行くの?」
母は俺に問い掛ける。
「ちょっと友人に会いに行く。」
「目立つがこれを持って行きなさい。」
父は俺にゴルフクラブを渡した。
「物騒な世の中になってしまったからな。」
「すまない。父さん。ちょっと遅くなるかもしれないけど。」
「こちらこそ...な、こんなものしか渡せなくて。すまない。」
ドアを開けた。俺の日常はそこで果てた。

幸か不幸か、京村の位置はGPSで分かる。 俺は京村の居るショッピング街へと向かった。 何の変哲も無い住宅街、だが、よく見ると グッタリと横たわる人が目に入る。 ただただ、横たわるということにしておこう。 俺は進む。ただただ進む。

「もう少しだ。間に合ってくれよ。」
GPSの反応が示す先は路地裏だった。
その時鈍い金属音が聞こえた。俺は全力で駆ける。
男が一人、一人の女にバットで襲いかかる。 女は包丁で応戦していた。 思ったより、手こずっているようで、男は一度後ろに下がる。 女は京村だった。男の方は20代後半であろうか。 見ず知らずであった。
「真人君!来てくれたんだ!」
俺はすぐさま、男の方に話しかけた。














「二人で一緒に殺しませんか?そこの貴方。 この女、私のターゲットでもあるんですよ。 その方が確実ですよ。」














男は状況を察し、黙って頷いた。そして、20代の男を先頭に 俺たちは京村の方に向かった。





ズシリ。





鈍い音と共に倒れたのは、見ず知らずの男の方であった。 俺が男の後頭部をめがけて全力でゴルフクラブを振り下ろしたのだ。
俺は頭をかきながら、京村に声を掛ける。
「こうでもしないと、勝てるのは運否天賦でしかないからな。」
俺は続けて言う。
「怖がらせてごめん。助けに来たよ。京村。」
「ありがとう、真人君。」
京村はそう答えると、突然俺を抱きしめてきた。
「おいおい、京村...。いくらなんでも。」
「ありがとう、真人君。」
京村は繰り返し言う。
「本当に良かった。」
俺は仕方ないなという表情で、答えた。 心地は悪くない。俺は身をゆだね、暫くそのままで居た。



















「え...?!」
突然背後に激痛が走る。 背中が上下に引き裂かれる...そんな痛みであった。
俺は顔を上げると、京村幸子は俺に微笑みかける。
「本当に良かった。助けに来てくれて、ありがとう。真人。」



殺害ターゲットにされるまで、残り18時間。